2018年3月17日(土)65日目

Sunny、中庭の桜のつぼみがかなり大きくなってきた。私が出るまでには満開という訳にはいかないが、少しでも花びらが見れたらいいと思う。1ヶ月以上も観て、情が移って、幾人もの囚人たちの思いを花びらに乗せて、さぞかし華麗に散るのであろう。移送先の刑務所でも桜は観れるだろうか。そういえば、去年まだ京都の留置場にいたときに、検察庁、裁判所の桜がとても綺麗だったのを思い出す。

もうこれが最後のここでの週末だと思うと、やっと解放される喜びと、次の環境への若干の不安とが入り混じった複雑な心境となる。読書と勉強がしっかりできる環境なら、何も文句は言うまい。ところで私物バッグがなくなるだけで、部屋が広く感じる。つまらないラジオもこれで聞き納めだと思うと我慢できる。

6月1日から、日本でもついに司法取引が始まる。嘘は5年以下の懲役の虚偽供述罪となる。組織犯罪の解明が目的らしい。こうなってくると、地下組織は相当な結束力がないと生き残れないが、末端と主犯との完全な分離が進むかもしれない。つまり、末端は今以上に使い捨てが進み、どうしてもトップには結びつかない組織づくりが進むであろう。

新聞より

単語のBasic Genius と Longman Frequently辞書から抜き出した覚えるべき単語をノートに移していたら、あっという間に7時である。しかしなかなか単語が記憶に定着しないものだ。漆塗りとして何度も繰り返して書くしかない。明日で書き写しは終わるだろう。

就寝前、いよいよ土曜日が終わる。明日は日中は残りの単語をしていたらすぐに終わるであろう。なんだかんだやっとこの生活から抜け出せると思うと、嬉しい。どこの刑務所に行って、なんの作業をすることになるのか、工場決まって、部屋決まって、やっと一息つけるなんて話を、運動の時に聞いたな〜。