2018年3月14日(水)62日目

天気、sunny、昨夜も33が夜中に何度も看守を呼んで扉を叩くので、その度に目が覚めてしまった。流石に怒鳴って怒られていた。そして34も朝から布団を畳まないで怒鳴られていた。この単独室3階フロアは間違いなく懲罰・問題児たちが流れ着く地獄の底なのであろう。それにしても33はそこまでして看守を呼んで時間を聞いて、何を知りたいのであろうか。不思議である。さて、今日は矯正指導日なので、静かな始まりである。合法的に仕事を休んで本を読んで良いという素晴らしい日なのだ。運動に出れないというデメリットはあるが、洗濯バサミをチマチマ作るよりは本を読んでいる方がいい良いと思う。午前中、本が入る。(プレイボーイ13、サイゾー3月号、創4月号)サイゾーと創がきたのは嬉しい。じっくり読んで、毎月読むに相応しいか考えたいと思う。また今日は永山則夫の無知の涙を読み終えるつもりだ。

10時頃、20〜30室あたりで一人領置調べで降りて行った。また一人移送されるらしい。29の彼か?そしたら私より後に来た彼が先に行くことになるな。いく刑務所が違うのだろう。いよいよ私ももうすぐだ。どんなに遅くても今月中には行くであろう。中庭の桜さえ見届けられればいつでも良い。極論、中庭の桜さえもどうでもいいのである。

覚醒剤で4度目の服役、30代男、少しのきっかけからどんどんのめり込む、廃人生活となる、逮捕されるとほっとする。周りの信用を失う、精神病院に入院、一冊の本が自分を変えた、家族や周りの力が必要、自助グループのおかげで助かる。今日1日だけ使用しない、それを積み重ねていく。薬物依存症、母だけは助けてくれた。親孝行したい。受刑中の母の死、やめる決意。やめるのは難しいが、自覚することでやめることができる。

録音教材、過ちはもう再び、成人編「依存症と戦う決意」

新聞より、オウムの死刑囚たちが近く移送される可能性があるという記事を読んだ。いよいよか、麻原は、キリストを目指しているような気がする。そうなると、復活というシナリオが用意されているのかと思料するが果たして現実はどうなるであろう。

「無知の涙」読了。永山は、犯行の原因を資本主義社会の矛盾の中に見出したのだ。彼のやった犯罪は許されるものではないと思うが、その中で彼がもがき苦しみ、重圧の中で刑死を受け入れるために本をむさぶり読んだというのは共感できる部分でもある。

資本論(二)に取り組み始める。難解だ。全く読めないわけではない、ただ集中して1行づつ丁寧に追っていかないと、はっと気がつくと全くわからなくなる。つまり読むのに非常にエネルギーを使うということだ。さて今日も寝る時間だ。こんな気楽な生活もない。孤独の中でもうしばらく思索を続けたいが、そろそろ呼ばれる気がする。状況がどう変化しても焦ることのないように心の準備はしておこう。